木材流通における転換促進支援事業
令和5年度実施報告

山形県木材産業協同組合

1.実施概要

実施団体の説明

協同組合:【組合員及び出資口数】
  • 組合員数 136社 (出資口数:1,360) (R5年5月現在)
  • 理事長  松田 賢 ㈱スペースパーツ山形(寒河江市)

【県産製材の安定供給体制の構築と情報発信】

(1)乾燥材・JAS材など品質性能の確かな県産木材の供給体制の構築
  • JAS構造用製材(目視等級区分・機械等級区分)認証工場(13工場)への支援
    (JAS構造材等の普及啓発等県産の高品質材の生産・流通拡大支援)
  • 山形県JAS製材連絡協議会、山形県プレカット協会、山形県広葉樹利用拡大協議会への支援

(2)合法木材等証明事業者の認定と制度普及活動の推進
  • 合法木材認証:122団体 合法木材認定事業者研修会
    【木材加工・流通=16万㎥(製材:8万㎥)】

(3)県産木材の普及活動の推進
  • 山形県林業まつりの開催
  • 各種展示会への出展(東京モクションなど)
    (県産広葉樹材や県産スギ材を利用した木工品、JAS広葉樹製材品展示)
  • ウッド・チェンジを推進する広報活動

【県産原木の安定供給体制の構築と情報発信】

(1)大型の県産木材需要工場(集成材工場や合板工場、木質バイオマス発電所等)に対し
   安定的に納材していく体制を構築
   【素材(12万㎥)】【木質バイオマス発電:19万㎥(未利用+一般材)】
 

事業の目的

 木産協の内部の各団体や、利用センター(※)内部の設計・建築関係団体と連携しながら、国産の製品等への転換を図るために必要な技術情報の収集、生産・流通に関する情報の収集提供等を行う。
 さらに、各種セミナー等を開催しながら、国産の建築用部材を優先選択し、直接加工を担うプレカット加工業者等に高品質なJAS製材等を安定的に供給する地域の仕組みづくりを行う。
(※)やまがた県産木材利用センター:木産協が事務局を務める川上から川下の建築関係者までの広く県産木材の情報交換・情報発信をする任意団体

 

事業内容・結果

(1)県内高品質材を活用した木造建築ワーキング
日時:令和5年12月14日(木)13:30~15:30
会場:山形市 パレスグランデール(2F カーサデルソレ)
対象:山形県JAS製材連絡協議会員
山形県建築住宅課、山形県森林ノミクス推進課
参加人数:22名
目的・テーマ
  • 県内のJAS製材工場を中心としたJAS製材品等紹介パンフの作成等を行い、川中・川下の流通関係者、設計・建築分野の各団体等に情報提供する。
    (国産のJAS製材品等の転換を進めるため、流通事業者や工務店等の理解と協力のもと、国産の建築用部材を優先選択し、直接加工を担うプレカット加工業者等にJAS製材等を安定的に供給する地域の仕組みづくりの一貫)
事業内容・成果
【協議内容】
  • 「JAS製材品等紹介パンフ」の原案の作成と普及啓発について協議
【成果】事前に各製材工場で聞き取り調整した内容でパンフを作成し、
 川中・川下の流通関係者、設計・建築分野の各団体等に情報提供することができた。
活動写真・パンフレット・チラシ等


県内高品質材を活用した
木造建築ワーキング開催状況

(2)一般流通材を活用した木造建築ワーキング
日時:令和5年8月30日(木)12:30~14:30
会場:山形市 パレスグランデール(2F カーサデルソレ)
対象:山形県建築士会(構造設計・意匠設計者)、山形県プレカット協会
参加人数:17名 
(建築士会副会長、木産協副理事長、利用センター副理事長など)
目的・テーマ
  • 民間木造施設の建築を担う構造設計に精通した建築士等の意見を聞きながら、県内で流通している一般流通材リストの作成を行い、設計・建築分野の各団体等に情報提供する。
事業内容・成果
【協議内容】
  • 一般流通材リストの提示・意見交換
    (価格・強度・納期、リストの掲載・更新等について)
  • 木造建築CADシステム デモンストレーション
    (構造チェックサポートなど)
【成果】県内流通業者(製品市場)や民間木造施設の建築を担う構造設計に精通した建築士等の意見を聞きながら、県内で流通している一般流通材リストの作成を行い、設計・建築分野の各団体等に情報提供することができた。
活動写真・パンフレット・チラシ等
一般流通材を活用した木造建築ワーキング開催状況

「建築用部材一般流通材リスト」による情報提供

(3)中大規模木造建築セミナー
日時:令和5年12月6日(木)13:30~16:30
会場:山形市 パレスグランデール(2F エアル)
対象:県内製材・流通事業者(やまがたの木認定事業者)等
参加人数:60名
目的・テーマ
  • 県内で一般流通している製材等を活用して、民間施設等の木造化を進めるために必要な技術や建築事例を学ぶセミナーを開催
    (やまがたの木認定事業者等【製材】【流通】事業者等と連携して木造建築に精通した人材の育成を図る取組みの一貫として行う)
事業内容・成果
【セミナー】県産材の利用拡大に向けた中大規模木造建築の推進
          (講師:山形大学/東北芸術工科大学 講師 鍋野友哉氏)
          (演題:木造建築と木質資材)
【対象者】やまがたの木認証制度における【認定事業体】等
【成 果】
県内で一般流通している製材等を活用して、民間施設等の木造化を進めるために必要な技術や建築事例を学ぶセミナーを開催し「やまがたの木認証材」を活用した建築用部材の供給について普及啓発を行うことができた。
活動写真・パンフレット・チラシ等
中大規模木造建築セミナー開催状況

「木材流通パンフ」による情報提供(やまがたの木認証材)
※パンフは(案)の段階で配布し意見等を頂く。

(4)国産の建築用木材への転換を進めるウッド・チェンジセミナー
日時:令和5年12月26日(火)14:00~17:00
会場:ホテルサンチェリー 2F ローズの間(寒河江市本町)
対象:市町村、製材業、木材加工・流通、森林組合、その他関係団体・企業
参加人数:72名
目的・テーマ
  • 地域の木材関係団体等と連携しながら、店舗併用の住宅や民間施設等の木造化・木質化に向けた具体的な取り組みを加速化するセミナーを、木材コーディネータ等による具体的な情報提供を交えながら開催する。
    (地域の木材関係団体と連携している建築・設計技術者の紹介、具体的建築事例の紹介、ウッド・チェンジより多様な分野で木材等の森林資源の利用を進める先進事例等の紹介、意見交換など)
事業内容・成果
  • 【セミナー】
    第1部:地域材活用による「ウッド・チェンジ」事例紹介
    ・有限会社設計アトリエ 代表取締役 瀬野和広 氏(外部講師)
      「ここは木の国」ウラ山の木でつくる作例紹介
    ・株式会社高木 取締役営業部長 佐藤隆裕 氏(地元工務店代表)
      県内での民間/公共施設における地域材利用の事例と可能性について
    ・パワープレイス株式会社 ウッドデザイナー 谷知大輔 氏(外部講師)
      タニチシステムによる地域材利用事例紹介
    第2部:講演「ウッド・チェンジで山形の森をモリアゲよう」
     (講師 長野麻子 氏(株式会社モリアゲ代表取締役)
     (持続可能なウッド・チェンジ ・モリアゲ アイデア)
    【株式会社モリアゲ】~日本の森を盛り上げる~ 代表 長野麻子氏
     元林野庁 林政部 木材利用課長
    「ウッド・チェンジ」をキーワードに全国で木材利用を推進
  • 【対象者】西山スギコンソーシアム関係者、やまがた県産木材利用センター関係者、やまがたの木認証制度における【認定事業体】(製材・木材流通)
    建築士関係(やまがた木造設計マイスター養成講座受講生など)、大手工務店、木材加工企業など木材加工・流通を担う企業・団体
  • 【成果】県内で一般流通している製材等を活用して、施設等の木造化・木質化に向けた具体的な取り組みを加速化するセミナーを、木材コーディネータ等による具体的な情報提供・提案を交え開催することができた。
活動写真・パンフレット・チラシ等
ウッド・チェンジセミナー開催状況

「建築用部材一般流通材リスト」による情報提供

(5)パンフレット・展示パネル展示
日時:令和6年1月22日(月)13:00~、1月23日(火)13:00~
22日:新春木造建築・木材流通セミナー(木産協及びJAS製材連絡協議会等共催)
   (東京都市大学名誉教授:大橋氏講演会)(他事業)
23日:山形県森林協会(新春講演会)
   (東北専門職大学学科長:柴田氏講演会:木産協共催事業)
会場:
22日:山形市 パレスグランデール(2F エアル)
23日:山形市 パレスグランデール(2F グランデール)
対象
22日:林業木材産業関係者(やまがた県産木材利用センター関係団体・企業)
23日:森林・林業・行政団体関係者(山形県森林協会関係団体・企業)
参加人数
22日:70名(関係団体・企業)
23日:160名(関係・企業団体)
目的・テーマ
  • 木産協の内部や、利用センター内部の関係団体と連携しながら、木材産業に関わる幅広い関係者に、国産の製品等への転換を図るために必要な情報(やまがたの木認証材、JAS認証材など)を提供し、国産材への転換促進を加速化する。
【展示パネル】流通転換パネル(2会場で展示)
【パンフレット】
 県内流通材パンフレット(2会場配布:200部)その他関係団体に配布
 JAS製材品紹介パンフレット(2会場配布:50部)その他関係団体に配布
活動写真・パンフレット・チラシ等
  
【22日:新春木造建築・木材流通セミナー会場】
 
【23日:新春講演会会場】

 

2.得られた効果

  • 【ワーキングの開催】
    これまでは、県内で流通している木質部材の情報をリアルタイムに提供できなかったが、建築用部材のリスト提供が標準化されることにより、建築・設計関係者への国産材への転換を【具体的】に働きかけることができるようになった。
  • 【セミナーの開催】
    活用できる木質部材の提供と併せて、建築士や工務店(施主含む)に具体的に国産材を活用した木造・木質化の提案を行うことにより、国産材の活用に興味を持つ工務店等が増加する傾向となった。


 

3.今後の課題と次年度以降の計画

  • 当該事業を実施することにより、【各種リスト等の整理・提供】【木造建築の応援団となる工務店・建築士等の参画者の増加】【セミナーを通じた具体的な建築案件や、多様な木材利用の提案】など、目に見える形で、国産建築用部材を利用しやすい環境整備を進めてきた
  • 今年度の事業成果として「国産材の新たなサプライチェ―ンの創出を目指す【検討会】」が立ち上がっており、令和6年度以降は、それらの取組みをモデル事例として広く周知することにより、各地域で国産材への転換等が着実に進むよう、関係団体と連携しながら必要な対応を行うものとする。
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